ビリギャルよりビリから慶應を通信で卒業しました!-卒業までの勉強法書いていきます-

高校中退から高卒認定試験を受けて、慶應義塾大学の通信教育課程を卒業しました。 卒業まで5年間において自分が得た、経験や知識をブログに示していきたいと思います。

論文・レポート作成ストーリー⑹ 欅坂的論文作成小説 No.6肩を組んで帰ろうか

欅坂的論文作成小説

ーNo.6肩を組んで帰ろうか[最終回]

(読み終わるまで 約7分)

(1週間後)
青年は、明治神宮前駅の改札を抜け、ライブ会場である代々木競技場に向かっていった。

会場付近では、すでに、歩くスペースもないくらいの人だかりができていた。

青年は、ファン君を見つけられるのか心配しながら、あたりを見渡していた。

ファン君「にいちゃん、こっちや、こっち」

聞き覚えのある関西弁が耳に飛び込んできた。

青年「ファン君!すごい人ですね」

ファン君「そらそうやろ。新曲出たばっかやしな」

青年「でも、こんなに人が多いとオタクの方探すのも大変そ、、、、」

と青年が言い終わる前に

ファン君「おった!あいつおったぞ!」

ファン君の視線の先には、販売されているありとあらゆるグッズを身につけた一人の男が、そわそわしながらスマートフォンをいじっていた。

青年「まさに、エキセントリックですね。あれなら、どこにいてもすぐに発見できますね」

ファン君が、オタ君の方に向かって、大きな歩幅で一直線に進んでいった。

ファン君「おおっ!久しぶりやな。何緊張してんねん」

オタ君「あっ、この前の口の悪い人だ。あんな嘘言ってよく僕の前に来れたね」

ファン君の前でペンライトを左右に振りながら、オタ君が挑発した。

ファン君「お前、ほんまにしばいたろか!」

青年「ファン君。やめときましょう」

ファン君は軽く頷いた。

青年が、この間作成した論文をまとめた紙を手渡そうとしたが、ファン君は手でさえぎった。

ファン君「大丈夫や。全部覚えてる」

青年は紙を手に持ったまま、一歩後ろに退いた。

ファン君「おい、今からいうことよう聞いとけよ」

オタ君はスマートフォンを触りながら、ファン君の顔を一瞥し、また画面に目を落とした。

ファン君「まず欅坂46のセンターやったら、一番人気なんは間違いないな」

オタ君「前も言ったよね」

ファン君「平手はずっとセンターやってんな」

オタ君「ミュージックビデオとか見たことないの」

ファン君「じゃあ、平手は一番人気ってことやな」

オタ君「当たり前だよ。ていうか呼び捨てにするなよ!」

ファン君「こっからが本題や。音楽プロデューサーのAさんがなあ、最近欅坂46の人気が変動してて、一番人気も変わってると思うって言ってたらしいわ」

オタ君「そんなの、信用できないよ」

ファン君「まあ、ええわ。ほんでな、振付師のTAKAHIROさんがな、今までセンターやったことない人が今回はやるって言ってたわ」

オタ君「えっ!何かの間違いじゃないの?あそこの位置は不動なんだよ。まあ、どっちにしても長濱ねるがセンターになるって決まったわけではないしね」

ファン君「でもな、お前も見てると思うけど、あの雑誌の記事見たんか?」

しかし、オタ君は欅坂46の公式サイト以外は、本や雑誌、ニュースもテレビも一切見ないらしい。

オタ君「そんなの知らないよ」

オタ君はスマホの画面を見たまま言った。

ファン君「まあええわ。その雑誌でなあ、グッズの売上とか、ファンクラブのアンケートとかいろいろの総合ランキングで長濱ねるが一番人気やってん」

オタ君「そんな雑誌知らないし。言ってることわけわからない!」

ファンさん「まあ、今まで言ったことを合わせたら、ねるがセンターになることも、一番人気なこともほぼ間違いないな」

オタ君「う、う、うるさい!」

オタ君の目には薄っすら涙が見えていた。

オタ君「ライブが始まったらわかることだから」

そう言い残してオタ君は二人から離れていった。
その声には、いつもの人をなめたような声色はなく、スマホの音声読上げのような無機質なものだった。

ライブ会場では、入場が始まり、人がすごい勢いで流れ込んで言った。
二人も会場へ向かって歩き出した。

青年「ちゃんと論文の内容覚えてましたね」

ファン君「でも、ちょっとかわいそうなことしたかな」

青年「そうですね。平手さんを応援することが、あの人の生きがいみたいなものですしね」

二人が会場に入ると、アリーナ席の片隅で一人下を向いているオタ君がいた。
二人はそっとオタ君のとなりに立った。

オタ君「なんだよ。向こう行けよ!」

青年「ここしか空いてなくて。すいません」

ライブの開始を知らせるアナウンスが流れた。

アナウンス「今回は、ニューシングルの発売に合わせて、大きくフォーメーションを変更しました。みなさんびっくりされると思いますが、是非楽しんでいってください」

会場のボルテージは高鳴り続けているが、オタ君は一点を見つめたまま、ボラのような面構えだった。

曲がはじまり、ステージ上の煙の中から、うっすらとメンバーのシルエットが浮かび上がってくる。

イントロの「Overture」が進むに連れて、誰がどこに立っているのかはっきりと確認できるようになってきた。

新曲が始まった。
ステージの真ん中には二人の姿があった。
平手と長濱だった。
青年は首を左右に振り、オタ君とファン君を確認した。
二人とも体を揺らしながら会場と一体になっていた。
青年もその熱気の中に身を寄せた。

曲が終わると、メンバーからのマイクMCがあり、今回からWセンター体制でいくことが伝えられた。

ファン君「どっちが一番人気か分からんけど、もうええか」

オタ君「この新曲最高だよね」

二人は、もう言い争っていたことについて、どうでもよくなっていた。

みんな、目の前で行われているパフォーマンスに入り込んでいた。

メンバー「これが最後の曲になります。聞いてください。『キミガイナイ』」

会場が静まり返り、交響曲のようなメロディが続いていく。

キャプテン菅井友香の目から涙が溢れていた。

ファン君はふと右手を見ると、なんと青年も号泣していた。

青年「チャプチェン、、、」

ファン君「どないしたん?何いうてんねん?何でそんな泣いてんねん?」

オタ君「お兄さんは菅井様推しなんだね」

青年はただ頷いていた。

アンコールが2曲続き、ライブは幕を閉じた。

三人は今日のライブの感想を言い合いながら、興奮冷めやらぬ様子で、跳ねるような足取りで歩いていた。

ファン君「でもやっぱ、ねるが一番可愛かったなー」

オタ君「はっ?何見てたの?平手ちゃんが最高だったよ」

青年「まあまあまあまあ、今日はいいじゃないですか」

オタ君とファン君は顔を見合わせた。

青年「ファン君。論文ってね、本当は言い争いに勝つために書くものじゃないんですよ。みんなが意見を出し合って、問題に対してより正確で、よりよい答えを出していくためにつくるものなんです。だから、他の人がその論文をもとに新たな研究をできるように作法とかにも厳しいんです」

ファン君「そうなんや」

青年「今回も、最終的にはこうやってオタ君とも仲良くなれましたよね」

ファン君「まあ、、、仲良くかはわからんけどな」

オタ君「えっ、何の話してんの?」

ファン君「お前には関係ないねん!」

オタ君「新情報?教えてよー」

ファン君「やかましいわ。まあ、ええわ。とりあえず飲みに行こか」

オタ君「えっ、でも、僕、お酒飲めないよ」

ファン君「分かった、分かった。酒の味教えたるわ」

青年は、20歳になったばかりの大学生が何言ってるんだと思った。

ファン君は、二人の肩に手を回した。

三人は、肩を組みながら、渋谷公園通りを歩いて夜の街へと歩き出した。


【レッスン6 論文を書いたあとに目指すもの】
論文では、結論やまとめの部分に、今後の展望新たに発見された問題点などを書く場合があります。
これは、つくった論文が絶対的な結論ではなくて、これからも研究が改善、発展していく余地があるということです。
議論に打ち勝つのが本来の目的ではなく、みんなでよりよいものをつくっていくためにつくるということが、論文の目的だと思います。
だから、みんなが論文をもとに研究できるために、参考文献の表記などの手続きに厳しいのです。
これがしっかり書かれていないと、後から研究を続ける人は何を手がかりに研究をつづければいいのか分からず困ってしまいます。

論文を書くための研究などに限定されることなく、常識を疑うという態度が大切です。
固定観念にとらわれず、常に新しい発見を目指すということです。
今回のストーリーの例で考えると、一番人気が常に平手さんであっても、それを当然のこととして受け取らないとする態度がそれに当たります。
一番人気の定義自体が変わっていたり、実際の人気が変動している可能性もあります。
また、センターが一人ではなく二人になるといった、大前提が変わるようなこともあります。
今回は、一番人気が長濱ねるさんに変わっているということを主張として話を進めました。

ある事柄について、不変であったり、絶対であったりすることはないと思います。
そのようなことを想定して、常識と考えられることにも常に疑問を持つ態度が、新しい発見よりよい生活を生むのではないでしょうか。