ビリギャルよりビリから慶應を通信で卒業しました!-卒業までの勉強法書いていきます-

高校中退から高卒認定試験を受けて、慶應義塾大学の通信教育課程を卒業しました。 卒業まで5年間において自分が得た、経験や知識をブログに示していきたいと思います。

慶應通信の学びからみたイエナプラン教育(オランダの教育制度)と日本の学校教育

こんにちは。
今回は、イエナプラン教育について調べたことを報告したいと思います。
イエナプランとは、100年程前に、ドイツで考案された教育実践方法です。
はじめに、イエナプランの内容が、どのようなものか紹介したいと思います。
現在、イエナプラン教育が最も普及している国は、オランダです。
オランダは、2013年にユニセフが発表した「先進国における子どもの幸福度調査」で総合1位になっています。
子どもの幸福度が高いオランダ自体の教育制度は、どのようなものかを続けて説明していきたいと思います。
そして、そのようなオランダの教育からみた、日本の学校教育について最後に考察してみます。
1万字を超えて長くなりますが、教育、教職などに興味がある人には是非読んで欲しいです。

⑴イエナプランの成り立ち
⑵イエナプラン教育の特徴
⑶オランダの教育制度
⑷日本の学校教育
⑸最後に

⑴イエナプランの成り立ち
イエナプランとは1924年にドイツの教育学者ペーターゼンが考案して、イエナ大学における実験校で取り入れた新しい教育実践方法です。
1926年にその教育実践の考えが『小さなイエナプラン』として発刊されました。
ペーターゼンがイエナプランを考案した背景には、当時大量の留年生を出していたドイツの教育制度に対して疑問を呈していたということがあると考えられています。
ドイツで生まれたイエナプランですが、本国ドイツではあまり発展しませんでした。
第2次世界大戦後、東ドイツの領土になったイエナ大学では、政治体制の変化によって自由な教育は抑圧され実験校は廃校になりました。
その後も、ドイツではあまり受け入れられなかったイエナプラン教育ですが、1960年代以降にオランダを中心として普及していきました。
オランダでも1970年代以降、大量の落ちこぼれと言われる生徒(オランダは小学校から留年があります)が発生していました。
当時の画一一斉教育へ疑問を抱いている教育関係者が多く存在していて、イエナプランなどのオルタナティブ教育はそのような人々から興味を持たれ発展していきました。
オランダにおいて、イエナプランを発見して広めた人物は、スース・フロイデンタールというオランダ人の女性です。
教育関連の仕事をしていた彼女の精力的な活動によって、イエナプランはオランダ国内で広がりを見せました。
彼女の夫は著名な数学者です。夫の考案した「リアリスティック数学」と呼ばれる、実物や体験を重視した教育法の考えが、スース・フロイデンタールの教育思想に影響を与えた言われています。
ちなみに夫のハンス・フロイデンタールはユダヤ教徒です。ユダヤ人は知的な仕事についている人が非常に多いです。
ユダヤ人の子どもは3歳から旧約聖書を読み出すなど、その教育方法がとてもユニークみたいでまた機会があれば調べてみようと思っていました。
またこのブログでも紹介したいと思います。

現在オランダでは小学校全体の3%にあたる220校以上がイエナプラン教育を取り入れています。
日本でも2019年に初のイエナプラン校が長野県に開校されるみたいです。
佐久穂町イエナプランスクール設立準備財団
今後、日本でもこのような教育実践が広がっていくことが楽しみです。

⑵イエナプラン教育の特徴
イエナプラン教育の特徴は、個別教育、異年齢学級編成、対話重視の教育、インクルージョン教育などがあります。
その内容は、イエナプランが考案された当時から現代においても主流である伝統的な画一一斉のような授業と一線を画す内容となっています。
画一一斉授業とは、みんなが同じ内容を、同じペースで、先生が黒板の前で話しているのをじっと聞いて学習していく、いわゆる普通の授業です。
イエナプランでは、そのような形態の学習ではなく一人一人の発達に沿った、個別の学習が行われています。
ここでは、そのようなイエナプラン教育の内容や特徴について、10項目に分けて説明していきたいと思います。
それぞれの項目は単独で存在するわけではなく、互いに重なり合う内容もあります。

①異年齢同級のファミリーグループ
②個別学習
③社会と同じ状況としての学校
リビングルームとしての教室
⑤サークル対話
⑥ワールドオリエンテーション
⑦「対話、遊び、仕事、催し」4つの循環(科目によらない時間割)
⑧静かな学びの場(ブロックアワー)
⑨ペダゴジカル・シチュエーション
⑩学校職員のチームワーク、保護者との協力的な態度

①異年齢によるファミリーグループ
イエナプラン校の学級編成は、異年齢による編成が基本です。
通常、3つの年齢のグループ(4-6歳、6-9歳、9-12歳)から構成されています。
子どもたちは、3年間同じ教室で、同じグループリーダー(担任の教師)の下、年少・年中・年長の3つの立場を経験し、それを繰り返しながら小学校を卒業していきます。
兄弟関係に似たような、年齢差による立場の違いを学校において体験できるようになっています。
異年齢同級のような制度では、全員が同じ年の場合に起こりがちな、できる子・できない子の固定化を防ぎ、子どもの個性や真の意味のリーダーシップが生まれる、という利点も指摘されています。

②個別学習
イエナプランでは、子どもたちは個人的な週間目標などを設定して個別に計画を立てて、自立的に自分のペースで学習を進めます。
そのため授業についていけないことや、分かっていることをくり返し聞くようなこともなく、個人のペースで新しいことに挑戦できます。
イエナプラン教育では、教師が子どもたちの性格や発達に応じた個別の対応ができる環境が整いやすくなっています。
例えば、異年齢が同じクラスにいるので教え合いが起こりやすいため、教師の指導の時間が短縮され、発達に障害があるなど、本当に助けが必要な子どもに多くの時間を割くことができます。
また、異年齢学級によって、教師は子どもの異質性に注目せざるを得ないので、個別の対応をより意識するようになります。

③社会と同じ状況としての学校
イエナプラン教育では 、異年齢学級を採用して社会と同じような人間関係を構築して、その中での社会性の発達を重視しています 。
年長者、年少者、その中間という年齢の違いはヨ ーロッパにかつて存在した職人集団の関係「職人(マイスタ-)、見習い、熟練者」の関係を模したものです。
毎年子どもたちが異なる立場を経験することになり、社会に出ていった時に人間関係を形成する準備になると考えています。

リビングルームとしての教室
イエナプランの学校では、教室をリビングルームのような存在と考え、学級の担任をグループリーダーと呼びます。
教室の内装や備品は、教員と生徒が話し合いながら配置などを考えていきます。
異年齢の子どもたちが共に座る席、グループリーダーの机、読書用のソファーや、デジタル機器を使えるスペースなどが教室には配置されています。
また、共同で作業をする場として、教室の中心に作業テーブルがおかれることが多いみたいです。
教室の机などは、動かしやすい軽い材質を使い、みんながいつでもサークルに座って話し合いができるようなっています。

⑤サークル対話
教室での学習活動の多くは、サークル対話という子どもが円になって向かい合う形式で行われます。
サークルには、特定のテーマを決めずに自由に話合うオープン・サークル、前もってグループリーダーや一定の子どもが話題を準備した準備サークル、グループリーダーが何かをみんなに伝えるためのサークル、何かを一緒に見たりそれについて話し合ったりするサークル、観察サークル、報告サークル、自由作文の朗読サークル、テーマ学習サークルなど多様な形態が存在します。
サークルには、グループリーダーも加わり、子どもたちの対話を補助します。

⑥ワールドオリエンテーション
イエナプラン教育では、理科・社会科といった区別がないワールドオリエンテーションという総合学習を中心的な学びと考えています。
ワールドオリエンテーションについての考え方、教材、教育方法、カリキュラムは、オランダで特に発展しました。
年間およそ8-9のテーマを決め、学校全体で同じテーマに取り組みます。
テーマは、7つの経験領域と時間、空間について、循環的に取り上げられます。

【7つの経験領域】
・作ることと使うこと(労働、消費、持続可能性など)
・環境と地形(人の棲息、植物・動物の棲息、住まいとしての地球宇宙環境など)
・巡る1年(1年の中の月日、お祝いや催し、学校の1年など)
・技術(建設、機械と道具、大きなシステム、原料とエネルギー、技術をどう使う、など)
・コミュニケーション(他の人と、自然と、また、自然の中で、他の国の人と、など)
・共に生きる(社会に帰属する、共に生きるために、共にひとつの世界を、など)
・私の人生(私、人々、大人たちなど)
【時間】
自然の中で時間を測る、時間を使う、時間について哲学する、循環する時間、線形に続く時間など
【空間】
空間を意識する、空間の価値を認めその使用について考える、空間を考慮した思考を発達させる、空間の計測の仕方、空間の表し方(図で、地図で、模型で)、空間と共同社会、空間と自然、空間と時間、空間について哲学するなど

学習テーマは、各年齢集団にふさわしい内容を選び、取り組みます。
たとえば、『地形と環境』で、動植物の棲息について取り上げた場合、その期間、低学年グループは、<冬の野鳥>を取り上げ、中学年グループは<冬木の枝>、高学年グループは、<冬眠動物>を取り上げる、といった感じです。

基本的に、テーマである対象物に対する子どもの問いかけを学習の出発点とします。
グループリーダーが補助役になり、子どもたちは自分たちで立てた問いを整理して、解決の手順を話し合い、計画して学習を進めていきます。
サークルを作った話し合いを、クラス単位、小グループ単位で繰り返します。
自分の観察だけではなく、他の子どもの観察を通じても、知見を広げ、自他の違い、共同の仕方を学ぶ場を与えることも、ワールドオリエンテーションの重要な役割です。

⑦「対話、遊び、仕事、催し」4つの循環する活動
イエナプラン校では、科目ごとの時間割はありません。
対話、遊び、仕事(学習)、催しという4つ活動を、子どもの自然なバイオリズムに合わせ、循環させる時間割を作ります。
対話とは、先程説明したサークル対話による活動です。
遊びは、子どもが音楽に合わせて体を動かして感情を表現したり、演劇作りをするといったものから、教育学上の効果を期待したゲーム遊びなどのことです。
仕事(学習)は、課題を意識してそれを達成するための活動で、個別に行う自立学習と共同学習の形態があります。
催しは、一般的な祝祭のほか、その学校の特別の行事、子どもやグループリーダーの誕生日、などのほか、毎週週末の最後の時間を1時間ほど利用して行うミニ学芸会があります。

⑧静かな学びの場
イエナプラン教育では、子どもが静かに深く考える時間を大切にしています。
そのため、ブロックアワーといわれる自立学習の時間などを利用して、他の子どもの邪魔をせずに、静かに学ぶ環境を子どもと共につくります。
ブロックアワーとは、2時限分の授業時間を使った自立学習の時間です。
この時間中、子どもたちは、自分の机につい立てを立てたり 、ヘッドフォンで音楽を聞いたり、自分に合ったさまざまなスタイルで学習を進めます。
また、イエナプラン校の教室では、教師は大きな声で支持するようなことはないです。
教師と子どもの距離が近いので、子どもから教師へ大きな声で問いかけるようにこともありません。
共同学習や、サークル対話などの積極的に発言するような場と、静かに学習する場の両方の時間を大切にしてバランスをとっています。
静かな学びの場の尊重は、子どもたちが、自分自身で答えのないような問いに対して向き合う訓練の場にもなっています。

⑨ペダゴジカル・シチュエーション(教育学的環境)
イエナプランでは、教師が一方的に教え、子どもが一方的に受身に習うという教育・学習形態を否定します。
教員の重要な役割は、知識伝達ではなく、子どもが、自発的に学びたいという意欲を持つようになるための環境づくりです。
例えば、教室をリビングルームとして、安心し、快適な場として整えることや、子どもの性格やテンポに合わせて、多様な教材を用意することなどが教師の役割です。

⑩学校職員のチームワーク、保護者との協力
イエナプランの学校では、学校全体の活動なども多いため、学校職員間で協同して話合い計画を立てるような場合が多いです。
また、保護者が積極的に学校運営などに関わることも多いです。学校は保護者に対して、学校のことについてオープンな姿勢が取られています。

イエナプラン教育では、子どもたちが、それぞれのペースで、お互いに助け合いながら成長していけるような学習環境が整えられているという特徴を持っています。

⑶オランダの教育制度
イエナプランに代表されるようなオランダの教育制度の特徴は「自由、選択、個別、共同」といったキーワードで表せると思います。
日本の教育制度、環境とは違う側面も多いです。
ここでは、オランダの教育制度についていくつかの特徴を挙げて説明していきたいと思います。

オランダの小学校では宿題がありません。
塾もありません。
勉強は、学校で、時間内にやるものであるという考えがあるからです。
家でも勉強できると思うと、学校にいる間に自分で設定した課題を責任を持ってやらないようになるといった考えがオランダでは持たれています。

オランダでは、教科書検定の制度がないです。
各学校が自校の生徒の性質にふさわしいと考えるものを選んで購入しています。
もし教材としてふさわしくないと思われるものが見つかったり、教科書の内容が時代遅れだと感じたりすれば、親が学校に苦情を言うことができます。
内容が偏向的だとか差別的、法に反しているなど社会的に問題のある教材であることがわかれば、教育監督局に苦情を申し立てることもできます。
オランダでは、教科書に対する自由が広く保障されています。

オランダには、原則として学区にあたるものがありません。
オランダの各地域には、いくつかの学校が存在することが普通です。
複数の選択肢の中から、生徒が保護者とともに通う学校を選んで決めるのがオランダの基本的な考え方です。
子どもが住んでいる地域の学区により通学する学校が一つだけに決まっている日本とは異なります。
オランダでは、宗教的な価値観に基づく教育理念の違い、オルタナティブ教育などの子ども観や教育理念に基づく教育方法の違いなどによって選択肢が存在しています。
このような学校選択の自由が、オランダでは約100年前から保障されています。

オランダでは公立私立問わず費用に関しては、いずれも無償です。
オランダの教育の自由には「理念の自由、設立の自由、方法の自由」の3要素が含まれます。
宗教的価値観、教育理念に基づき一定数の生徒を集めれば、教会や市民団体が学校を設立できます。そして、それぞれの教育理念に基づいて、学級編制や教材、時間割などを選択して公立校とまったく同じ公教育費を国から受給して運営することができます 。
したがって、公立校、私立校のいずれを選んでも学費は無償となるため 、保護者や子どもには多数の選択肢が保障されることとなります。
また、オランダの中等学校ではモンテッソーリコースやイエナプランコースが併設されている学校もあります。
普通コースに入学してきた生徒でも、様子をみて、併設されたオルタナティブ系のコースへ移るよう教員が助言することもあります。

オランダでは、インクルーシブ教育という考えを大切にします。
インクルーシブ教育とは、障害を持った子どもや、多様な宗教、国籍の子どもたちが違いを認め合いながら共に生きていける力を育む教育です。
例えば、オランダの学校では障害を抱えた子どもが普通校で学びやすい制度が存在します。
2000年代に始まった通称リュックサック制策と呼ばれる政策です。
この制度では、障害をもつ子どもたちは、障害について、国の基準により、普通校で特別支援を受けるための追加資金を受け取ります。
この追加資金を生徒は自ら携えて(これをリュックサックに詰めてと表現することから政策の名前になった)好きな普通校を選び通学します。
その資金は当該生徒の学校生活のために当てられます。
例えば、補佐役の助教員を雇うための資金や点字入力ができるコンピューターの購入費などがリュックサックに詰められた資金で賄われます。
障害などの問題を抱えた子どもが多様な選択肢をできるシステムが整っています。
また、インクルーシブ教育を重要視する表れの一つとして民主主義的シチズンシップ教育の義務などがあります。
このような、インクルーシブ教育という考えが普通校でも実践されています。

オランダの教育制度は、子どもたち(個人)に多様な選択肢が存在して、自分に合った学校で、自分のペースで学べるような環境が整っているといえます。
さまざまな環境やバックグラウンドを持った子どもたちがいるという前提のもと、そのような子どもたちが共存できる学校づくりを目指してていると感じました。

⑷日本の学校教育
ここでは、個別教育を重視するオランダの教育制度から見た場合に、日本の学校教育ではどのような問題点があるのか考えていきたいと思います。

日本では学歴社会が今でも根強く残っています。
受験で成功することが人生を切り開く第一歩と考えられています。
学校で落ちこぼれたり、受験に失敗したりすることで、幸福な人生に進むことができないと感じてしまいます。
18歳の時点で、みずからに「負け組 」のレッテルを貼って意味のない敗北感をもったまま大人になっていく子どもが、日本には多く存在します。
学校教育は、そのようなことを感じるために行われるものではないと思います。

日本における学校教育の問題の一つに教科書中心主義という側面があります。
具体的には次のような6点が考えられます。
一つ目は、検定教科書の内容だけが正しいものであると考えられ、学力テストや入学試験なども、教科書に書かれているかどうかということを基準に作られているということです。
二つ目は、教科書が同年齢集団の平均的な発達を前提として作られていることです。
三つ目は、教科書の内容が現場の教師たちの考えよりも、学者の見解が優先して作られていることです 。
四つ目として、教科書を重要視することで、学習とは紙面上の知識をもとに行われるものだという思い込みが生まれてしまうことです。
五つ目に、オランダなど多くのヨ ーロッパ諸国にはない検定という縛りがあるため、教科書をつくる会社が自由闊達な発想で教科書を作ることができない点です。
六つ目に、教科書の作成、検定、採択、無償給付などにかかる費用の問題です。
日本の教科書ということを考えても、これだけの問題点が考えられます。

次の問題点として時間割、内容、方法などの画一化を挙げることができます。
日本のほとんどの学校では、科目ごとの時間割が定められています。
しかし、日本の学校における時間割などに関して、制度的に決められているわけではないです。
学校教育法施行規則には、各教科等の「標準授業時数」が定められていますが、そのために時間割を作れとか、全員一斉にやれとか、そんな規定はどこにもありません。
しかし、ほとんどの学校で、イエナプランのような科目による時間割を超えた個別の学習過程が設定されていません。
自由にできるはずの制度があるのに、慣習や先例などに縛られて、現場での子どもたちペースに合わせた学習環境が整備されていないという問題点があると思います。

次に年齢主義による、問題点に触れます。
本の学校教育では、とりあえず学校に行って授業をこなしていけば自動的に次の学年に上がることができます。
したがって、各学校の卒業時点でどんな能力が達成できたか不明であるという問題点があります。
各段階で達成すべきゴ ールが明確になっていないということです。
小学校修了 、中学校修了 、高校修了とは 、いったいどんな能力を達成できたことを意味するのかが不明です。
履修主義を取っている以上仕方ないですが、何を目的に学校に行くのでしょうか。

学力(知識をどれだけ覚えたか)テストによる子どもの競争という問題もあります。
テストは子ども個人の発達の度合いを見るためにあるべきです。
オランダにはLVSというテスト制度があります。
小学1年生(日本の幼稚園年少)から、8年生までの8年間、年に2回ずつ受ける文部省認定の共通テストで、算数(計算)と国語(スペリングと読解)の2科目のみです。
各生徒のテストの結果はコンピューターによって分析後、記録に残されます。
半年ごとに同じタイプのテストを受けることで 、教師が子ども一人ひとりの発達の経過を正確にフォロ ーしていくことが目的です。
教師は、この結果をもとに、指導法や教材を柔軟に変えて指導します。
本来テストはこうあるべきだと思います。
競争や入学選抜に使うために行うものではないと思います。
子どもたちにとっての最近接発達領域がどこであり、どこに働きかければよいか考えるためにあるべきだと思います。
ある子どもが、いずれかの分野の成績で同年齢の平均を相当に下回っていたとしても 、半年後に向上していれば 、本来問題ないはずです。
知的に遅れのある子などに対して、平均的な発達を求め、達成できない子を落ちこぼれとするようなことではなく、その子なりのテンポに合わせて発達を支援することで、伸び切れるところまで伸ばことが、子どもの最大限の発達を保障するということだと思います。

学校教育とは、ただ学力が上がれば良いのでしょうか。
フィンランドPISAでは学力に関して好成績を収めていますが、WHOやユニセフの調査では 、子どもが学校をあまり好きではないとか、生活に対する満足度が低いといった負の側面があることもわかっています。

⑸最後に
イエナプラン教育のことを知って、自分が子どもの時にあればなと思いました。
子どもの頃は、正直学校の授業がめちゃくちゃつまらなかったです。
教室で1時間座っていることが苦痛でたまりませんでした。
算数の授業の時などに、一応勉強している風に見せるために、教科書を開いてひたすら円周率を暗記していた記憶があります。
当時は50桁くらいまで覚えていました。
これまでに人生で役に立ったことはありませんが、披露するとみんなにすごいと感心されて嬉しかった記憶がありますので、一応成功体験のようなものですかね。
分かっていることをじっとして何回も聞くより、そっちの方がよっぽどマシだと思うのですが、違うページを見るなと先生に怒られていたような気がします。

自分のまわりでも学校の授業が本当に楽しかったという声をあまり聞いたことがないです。
子どもたちに聞いても、学校の中で勉強が一番好きとはなかなか言いません。
大人になってから、自主的に勉強しようと思っている人も少数派です。
学校の先生が楽しい授業を作ろうと、必死に頑張って、いろんなアプローチをしているはずなのになんでだろうと本当に思っていました。

イエナプランを調べているとその答えのヒントを少し見つけた気がしました。

現代は、無料のオンライン教材がネット上にあります。
カーンアカデミーや iTunesU、NHK for Schoolなど、優良な学習コンテンツやサービスがいまではたくさんあるので、単に個別授業であれば、それで十分です。
そんな時代において、教師は決められたことを決められた通りに教えたり学ばせたりする以上に、子どもたちの自主的な学びをどう援助していくかが重要になってくると思います。
少し違うのかも知れませんが、以前ブログで紹介させてもらったN高等学校などの考えは、教師のあり方に対する可能性の一つだと思います。

また、そんな時代に学校や学級の意義とは何であるのかということも大きな問題になってきます。
慶應通信の教職でも、そのような点は大きく取り上げ、問題視していると思います。
次回に紹介する予定のオルタナティブ教育が、今後、公教育に浸透して、選択肢となっていけば、少しは良い方向に進むのかなと思います。

長い文章に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

【参考文献】
リヒテルズ直子、苫野 一徳共著『公教育をイチから考えよう』2016 日本論評社
リヒテルズ直子著『オランダの個別教育はなぜ成功したのか』2006 平凡社
オランダで普及している「イエナプラン」教育から学ぶ、21世紀にふさわしい全人教育の形 — Future Edu Tokyo
日本イエナプラン教育協会 | イエナプラン教育とは | イエナプラン教育の起こり
「オルタナティブ教育」学力だけでなく人間性を磨く教育法とは | 東京(広尾・自由 が丘)の幼児教室ならGymboree(ジンボリー)